興味を持たれる

こらこら、あなたより年上の女性はもういませんよ―、という冗談はさておき、この短いインタビユーの中に、後ほど明らかにする遅老遅死への秘訣が隠されています。まずは重千代さんが適度のアルコールを飲み続けていたこと。次に異性が好き(女性の場合は男性ですが)と公言していたということです。また、後述しますが徳之島という環境も、重千代さんの長寿を支えたと思われます。一般には、飲酒。喫煙は身体に「百害あって一理なし」といわれ、ご老人が異性への興味を口にすれば「いい歳をして」と苦笑されたり、場合によっては嫌がられることでしょう。医師として、私は煙草や酒が「手放しに身体によい」とは言いませんが、「ほどよく楽しむこと」までを禁じてしまうことが、果たして健康を高めるのか? というと疑間を呈さざるをえません。また、人間には三大欲求というものがあります。それは、食欲・性欲・睡眠欲です。おいしいものを食べ、ぐっすり寝て、好きな異性を想うことです。ここでいう性欲とは、直接的な性行為を指すものに限りません。重千代さんが「酒と女かのお」と言った言葉の意味は、異性に興味を持ち、好きになることを我慢しないということだと思います。生物学的に見ると、動物たち、それに植物たちも、いかに異性を意識し、惹きつけようとしてやまないかわかりやすいと思います。花は色とりどりに咲き誇り、クジャクの羽は驚くほどに大きく美しく、ライオンのたてがみは凛々しく見えるでしょう。生き物の進化はこのように異性を意識し、惹きつけることについても、巧妙に改良を重ねてきました。

 

人間だって、それは同じなのです。興味を持たれる異性の方も、相手が今にも枯れてしまいそうな「弱々しい」状態では見向きもしないでしょう。おいしいものを規則正しく食べて、ほどよい運動で体を引き締め、ぐっすり眠ってストレスを発散しているからこそ、異性への興味も持続できるのです。しかし、これらの三大欲求をきちんと処理できている現代人がどれだけ少ないか、想像に難くありません。基本的な欲求(本能)を満足に処理できないことは大きなストレスになります。実はこのストレスこそ、遅老遅死に対する最大の敵なのです。このことは後で詳しくお話しいたします。